断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

写真:標本

インド産の好白蟻性ゴミムシダマシの一種Azarelius sp.。かなり以前に交換で入手したのだが、カビまみれで標本箱の片隅に放置してあった。今日、標本を掃除し、展足し、ようやく撮影した。カビの除去に苦労して、こうやってきれいにするのに2時間もかかって…

タイ国産アトバゴミムシの一種Catascopus regalis。15ミリほど。先日、比文の勝山くんにもらった。美しい・・・・。この仲間は集めていきたい。 私の標本は右側にねじれていることが多い。写真を撮って初めて気づく。顕微鏡で右目で見てきっちり決めたつも…

Miscelus unicolorと思われる種。どうみてもナガゴミムシのようだが、実はアトキリゴミムシの仲間。灯火に来るが、やや少ない種のようだ。渋いけど、腿節が太くて格好良い。1センチほど。

これ割れていたEOS KissIIがようやく戻ってきた修理に1ヶ月以上かかるなんて。そういうわけで先日採集したゴミムシを試し撮り。曲がってしまったが、まあこんなもんだろう。Physodera属の一種。かっこいい。たぶん珍品。紋は2つだが、テントウダマシやオオキ…

昨日広岡君と撮影したハナアブの幼虫。かなり気持ち悪い。内臓が色とりどり。

脚についた糊が写ってしまっているのでボツになった写真。あとは良いと思う。ツノゼミの一種Cyphonia trifida。

巨頭のハネカクシStrabocephalium sp.。先日の旅行で採集したもので、マレー半島初記録の属となる。新属はたまに採れるが、こういう珍奇な属の初記録のほうがうれしい。平地の比較的都市近郊で、こんなものが見つかっていなかったなんて、驚きである。体長は…

久々に標本の写真。数日前にアメリカから交換で届いたもの。Trilobitideusというサスライアリの巣にいるハネカクシ。語源はおそらく「Trilobita(三葉虫)」+「deus(神)」だろう。これほど珍妙な甲虫もない。サスライアリの巣にはほかにも様々な甲虫がい…

オリンパスのPen(EP-1)はマクロ専用に買ったのだが、ネット上に虫の撮影に使っている声を聞くことがなかった。ここへきて新開さんが活用されていることを知る。ベローズをつけるとは思いもよらなかった。 この数週間試してきて、私はマイクロフォーサーズ…

アフリカ産のヒゲブトオサムシの仲間。左からPaussus hirsutusとP. sphaerocerus。左の学名は「毛深い」の意味で、その名のとおり毛深い。右は「球状の角」の意味で、その名のとおりまん丸い触角を持つ。右の種の触角はまん丸い上に黄色い菓子パンのような色…

エクアドルで小松君が採集したマンマルコガネの一種Germarostes sp.。共同研究者のバレリオさんから速攻でメールが来て、新種とのこと。かなり大形で、日本のダルマコガネくらいある。すばらしい造形。

ゴミムシダマシの一種Pheugomius borneensis。その名のとおりボルネオに生息する。世界屈指の大きさのゴミムシダマシで、写真の標本は体長が65ミリもある。ゴミムシダマシは外骨格が厚いので、この大きさともなるとかなりの重量感がある。日本に近縁なものは…

打って変って「普通の虫」の写真を。いわゆる「オサムシ」の属するオサムシ上族Carabitaeには主に4つの分類群があって、汎世界的な分布を持つオサムシ族Carabiniのほか、ユーラシア北部から北米の一部に分布するセダカオサムシ族Cychrini、オーストラリア固…

長い触角をもち、雌が長い産卵管を有するキリギリスやコオロギの仲間は、Ensiferaと呼ばれる。鳴くのが得意で、多くは左右の翅を擦り合わせて大きな音を出す(無翅のものは除く。コロギスなど翅を擦らないものもいる)。一方、同じバッタ目(直翅目)でも、…

烏山さんの標本より、翅の退化したキリギリス科の仲間。アフリカとその周辺に固有のHetrodinae亜科に属する。どれも5センチ以上あり、恐ろしげな姿をしている。鳴くのかどうか不思議に思っていたが、一番下の種では、雄の前胸背板の後縁が盛り上がっており、…

アメイロオオアリの一種Camponotus (Tanaemyrmex) sp.の巣から蛹が採集され、そこから羽化したアリスアブの一種Microdon sp.。行き慣れたGombakにこんなきれいなものがいるとは思わなかった。ちなみにMicrodonとはmicro + odonで「小さな歯」という意味だが…

ヒメサスライアリの一種Aenictus sp.の巣から採れるシミ。触角と足が縮小しており、若虫はアリの背中に乗って移動、成虫はアリよりも大きいので、自力で移動する。鱗が取れてちょっと汚い標本になってしまった。ところで、このシミは科がわからない。少なく…

ニセマグソコガネAegialia nitidaという海岸性のコガネムシ。海浜植物の根の周囲に住んでおり、砂を掘り進むのに適した頑強な体と発達した前脛節をもつ。そういった場所の砂を篩うと採れるらしいが、私は採ったとこがないし、写真のような少し擦れた個体しか…

オオキバナガミズギワゴミムシBembidion sumaoi(旧Armatocillenus sumaoi)という潮間帯性のゴミムシで、体長は5ミリほど。かなりの珍品で、東京湾、福島、宮城、北海道から点々と採集されている。知る限り東京湾では小櫃川でか記録がないが、すでに絶滅し…

今日の写真はEcitosaurus sp.というアリガタハネカクシ亜科Paederinaeのハネカクシである。体長は3.5ミリほど。好蟻性ハネカクシの形態的な豊かさはとにかくものすごい、というほかない。南米のグンタイアリEcitonと共生するので、Ecito-とついており、sauru…

毎年通っているUlu Gombakではすでに10万頭を超えるハネカクシを採集しているが、未だ1頭しか採集していない種も少なくない。このTurgiditarsus ledangensis (Schillhammer, 1996)もその一つで、これまでに1頭を見たのみである。また、属レベルでTurgidita…

写真が好きでこのブログを見てくださっている方も多いようだが、最近は全然出せなかったので、久々に。町田の柴田泰利さんから貴重なハネカクシをいただいた。オオズウミハネカクシLiparocephalus tokunagai Sakaguti, 1944という潮間帯性ハネカクシである。…

採集した虫は標本を作らないでたまる一方。アルバイトの学生さんにも標本作製をやってもらっているが、技術的に難しく、自分で作りたいものもある。今日は液浸のセンチコガネを少し作った。下翅が出ていて、それを畳んで上翅を閉じる必要があり、少々コツが…

マレー半島産のまん丸のコメツキムシAgraeus gibberosus。4mmくらい。

珍奇な好蟻性アリヅカムシの一種Colilodion sp.。好蟻性とはいってもアリとの関係は一切不明。しかし、この形態で自由生活していることはありえないのと、近縁の群が好蟻性であることから、好蟻性と判断している。だったらどうやって採ったのかというとFIT(…

昨年タイのカオヤイ国立公園でタイワンシロアリの一種Odontotermes indrapuensisの巣から採集したノミバエの一種Clitelloxenia perdosetae Disney。シロアリの菌園を掘って出したもので、個体数は少なくなかった。下はその野外写真で、やはりハエらしく脚を…

タイのKhao Yaiで仕掛けたFITの収穫物を仕分けしていたら出てきたノミバエの雌雄。最初に翅のないノミバエに気付いて、翅がないのに何でFITに落ちたんだろうと思ったら、雄がお尻にぶらさがっていた。いや、正確には雌のほうがぶら下がっていたことになる。…

久々に虫の写真を。Eremoxeniniという好蟻性のミツギリゾウムシ科の一群で、そのなかでも特に立派なものを選んでみた。上がLeptamorphocephalusの一種でミャンマー産、下右がPaussobrentusの一種でタイ産、下左がMyremobrentus aterでコートヂボワール産。だ…

先日三田君から頂戴したトゲアリスアブ(オオイタアリスアブ)Microdon oitanus Shirakiのメスの顔。開放で撮影した10枚を深度合成した。Helicon Focusは安いソフトだが、ゴーストがきついのが欠点である。 Helicon Focusによる深度合成画像 その点、シカゴ…

折を見て写真の練習ということで、今日は1枚作成。まあ上出来だろう。15枚を合成した。あとは背景色の均一化が課題。さてこれは何でしょう。吉澤さんなら2秒でわかるでしょうが・・・。逆にこれが分からなかったら「昆虫学徒」とはいえないかも? *正解はア…