断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日も午前中に家で仕事を済ませ、昼前に科博に出勤した。着いて早々、しこしこと論文書き。また、先日のトルコ産の新属新種の論文を投稿した。紀要なのでそのまま載るが、念のために自主的にレフェリーに出した。しばらくは赤貧なので、ページチャージや別刷り代を要する雑誌には滅多なことでは出さない予定。科博の紀要はカラーが無料で、120部の別刷りも無料という、大変嬉しい雑誌である。

夕方近くからヒメサスライアリとハネカクシの分子の配列決定と解析をした。予想はしていたものの、とんでもなく面白い結果で、久々に興奮した。主要な部分はナイショとして、重要でない部分を明かすと、ヒメサスライアリの種間の分岐が極めて深いことがわかった。ケアリで比較すると、浅くても亜属間くらいの違いがある。移動能力が低い割りに東南アジア一帯に広く分布する種が多いが、分岐年代を勘案すると、現在の島嶼が形成されるよりずっと前に種分化を遂げていたことは間違いなさそうだ。今回は6種しか扱っていないが、もっと幅広く(多種を)見れば面白い結果になると思う。アフリカのも含めたりすれば、なかなか壮大な話しになりそう。いやいや欲を言えばキリがない。この話しは就職するまで忘れよう。

興奮して気付いたら22時半近くなっていた。空腹も夕飯も忘れていた。こんどの動物分類学会で一部の成果を発表する予定だが、その要旨を電車の中で書き上げた。

夕飯はビールとカップラーメン。32歳と1日、ああ悲しい。

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