断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

土壌選別用の篩(シフター)。ウィンクラーやツルグレンに使用する土壌を採集する道具である。土壌生物抽出というのは、単に土を袋詰めにして持ち帰ればいいわけではなく、抽出の効率上、土の大半を占める枝や新しい落ち葉など無駄なものをより分けて、生物がいわば「濃縮」された土壌を持ち帰るほうがよい。

この道具は最上部に枠、その少し下に金網のついた枠、その下が長い筒状になっており、そこに土壌を集めるようになっている。どのように使うかというと、最上部の枠(D字型になっている)取っ手を持ち、枠(D字の平らな部分)を地面に押し付け、軍手を使ってそこに土をかき集める。そして、上下の枠の取っ手を持ち、ユサユサと篩い、細かい土壌を下の筒状部に集める。筒状部は下を紐で結わえており、土が一杯になったら、紐を解いて土嚢袋に移す。その土をウィンクラーやツルグレンにかける。

これも残念ながら日本では良いものが手に入らない。第一に、溜まった土の中の生物に衝撃を与えないよう、立ち上がって取っ手を持ったときに筒状部が地面に届く必要があるのだが、その条件を満たすものは国外のメーカーでもなかなか売っていない。また、布部分が化繊でないと、すぐに腐って穴が開いてしまうのだが、木綿を使っているところが多い。これらの点において、この篩も、先日のスロバキアのメーカーのものが、今のところ最も信頼できる。写真は私が使っているもので、布はそのスロバキア製で、金網は大昔に東京農大の昆研で特注したものをお裾分けしてもらったものである。

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