断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

お気に入り道具

ではまだないが、こんどのタイに持っていくヘッドライトを注文した。きっと気に入るだろう。ここ数年、LEDのヘッドライトを使っていたが、先日のマレーシア調査で「やっぱりLEDはダメだ」と悟った。LEDの重大な欠点は遠くに光が届かないことである。足元さえ…

標本を台紙に貼り付けるのには膠が一番だが、日本国内では使いやすい製品が手に入らなかった。ヨーロッパで使われているものも入手が容易でなく、直接パリの業者に頼んだこともあったが、なしのつぶて。ヨーロッパの昆虫用品販売業者でも売っているが、それ…

6ptの♂♀の活字。ハネカクシには微小なものが多く、解剖したあとでも顕微鏡でいちいち覗かないと雌雄の確認の難しいものが多い。そこでこの活字を使い、解剖後に標本を貼り付けた台紙に♂か♀を印字して目印しておく。手書きでもよいのだが、小さな字をきれいに…

薄手のゴム引き手袋。刺す恐れのある虫を触ったり、手で地面に穴を掘る必要があるとき、ゴム引きの手袋が役に立つ。しかし、多くの製品は軍手に分厚くゴムが引かれており、それはそれで丈夫でよいのだが、手先の感覚がわからないうえ、重くてかさばるという…

先日の旅行で鶴君にもらったペン。耐水・耐アルコール性で、このペンで書き込んだラベルを液浸チューブのなかに放り込むことができる。ちなみ私は、調査で訪れる地点のラベルを事前に作って持って行き、日付を書き込むだけで済むようにしている。あとの仕分…

キャップ付きのケース。大中小があり、大と中は現地で生き物を飼育したり、液浸標本を仕分けしたりするときに使う。小はフィッシュベストに入れ、生かしたままの採集に用いる。小型のタッパーでは開け閉めがやりにくいし、スチロールケースでは大きすぎたり…

「ねじりっこ」とも呼ばれる園芸用の針金。20m巻で100円で売っている。旅行にひとつあると大変便利で、トラップの設置から、ものを束ねたり、何かを直したり、果ては洗濯物を干すのにも使える。似たような用途に布ガムテープも少々あると便利だが、1巻きだ…

チューブにアルコールを注ぐ瓶。DNA実験用の虫の採集にあたり、すでにアルコールの入ったチューブを持って行き、そこに虫を入れて持ち帰る人が多いが、長期の遠征の場合には旅行中に数回のアルコールを交換したほうが実験の成績が良い。そしてその際、これが…

遠征に持っていくねじ蓋式のチューブ類(2ml)。わたしの好きな虫は5mm以下なので、毒瓶で殺したあとはほとんどチューブに入れ、アルコール中で保存ししている。昔はタトウを使っていたが、高温多湿ではカビやすいし、小さな虫は壊れたり失くしやすいので…

ピンセット類。キャップにはDNA実験用のチップを用いている。一番上は採集用にしている「スガワラST」というもので、腰といい、適度な鋭さといい、とても具合がよい。科博の院生室で拾ったのだが、どこで売っているのだろうか。上から2番目は非常に腰の弱い…

土壌選別用の篩(シフター)。ウィンクラーやツルグレンに使用する土壌を採集する道具である。土壌生物抽出というのは、単に土を袋詰めにして持ち帰ればいいわけではなく、抽出の効率上、土の大半を占める枝や新しい落ち葉など無駄なものをより分けて、生物…

ウィンクラーWinkler(モツァルスキーMoczarski)装置。いってみれば熱を使わず、自然乾燥にまかせるツルグレン装置(土壌生物抽出装置)である。熱を使わないと抽出効率が悪いように感じる人もいるかもしれないが、虫というのは環境に違和感があるととりあ…

篩いと植木鉢の受け皿。土壌製の昆虫を採集するには、野外で土を篩って目視で採集する方法と、土を採取して持ち帰り、ツルグレン(ベルレーゼ)装置で虫を抽出する方法とがある。これらの道具は前者の方法に使う。具体的には、良さそうな土壌を受け皿の上で…

言わずと知れたファーブル(ファーブルミニ)。私は現地で解剖するわけでもないし、実は要らないといえば要らないのだが、ちょっとよさそうな虫が採れたときに、顕微鏡で見たくてウズウズすることがあり、そういう場合に備えて持っていくことにしている。あ…

片手鍬は日本人の虫屋にはおなじみの道具だが、日本でしか売っていないので世界的には知られていない。主に朽木を割ったり、地面に穴を掘ったりすることに用いるが、そういった用途に対してこれほど優れた道具を他に知らない。欧米では、朽木を割る際に岩石…

写真が終わってしまったので、いつも採集に使うお気に入りの道具を紹介しようと思う。 最初は長靴。私はこのAngler's houseの丈の短い長靴を愛用している。採集のときには長靴を履くわけだが、長靴の質というのはとても大切である。安物はすぐに穴が開くし、…