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東北地方以南の東日本にアイヌ語起源の地名が残っていることは知っていたが、他の地方にも多く残っている可能性があることを知った。たとえば九大が移転中の糸島の「いと」はアイヌ語の「鼻」や「岬」を表し、「糸」や「伊都」は単なる当て漢字だそうだ。著者は大和言葉と古代朝鮮語、アイヌ語との関係を議論しながら話を進めているが、その言葉の生じた年代についての考察がほとんどないことから、全体に論点がぼやけた印象があった。また、地名もアイヌ語も音数の少ない単語からなるものが多いので、アイヌ語に似ているといえば、かなりのものが似ているといえるようにも感じた。地名を扱う者として興味ある課題なので、また別の類書も読んでみたい。
- 作者: 大友幸男
- 出版社/メーカー: 三一書房
- 発売日: 1997/10/31
- メディア: ペーパーバック
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