断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

もうお見せできる虫の写真がないので、生活の様子。今回は諸事情により水に窮した調査だった。5時間も6時間も山のなかを歩きまわって、1滴も水が飲めないというのはなかなかつらい。しかし、喉がカラカラのときに飲むヤシの実の汁は最高だった。小松君の大好物で、小松君は海外に行くたびに食べており、私はまったく好きではなかったのだが、今回のは何よりも美味しいものだった。もちろん、極度に喉がかわいていたというのもあるかもしれない。山を下りて、現地の案内人に頼むと、その辺にある木にスイスイ登って取ってくれる。割ってくれるのが待ち遠しい。飲み終わった後には実の皮を削って即席の匙を作ってくれ、それで胚乳を削って食べる。この胚乳は犬も大好物のようで、小松君と競って食べていた。胚乳は若い実で、まだ発達していないものが、ゼリー状にやわらかくておいしい。古くなると、分厚く、堅くなり、これはココナッツミルクに使用する。近くの海で採れたマグロをココナッツミルクで煮た料理を出してくれたが、これは大変な美味だった。