■
大学の非常勤をしていたときに、毎度の講義の最後に15分間、作文をさせていた。しかし、多くの場合、その日本語があまりにも酷かった。文章力に関してわたしも他人のことはいえないのだが、あまりに酷いと就職活動にも差し支えるだろうといことで、この本を紹介した。結果、学生さんの間でなかなか好評だった。同じ著者による「日本語の作文技術」という本もあり、同様に優れた教科書だとは思うが、今日紹介するものに比べて文章量が多く、やや込み入った内容である(作文に関係のない著者自身の主張も多い)。だいたい、極端に文章をかけない人と言うのは、一様に読書を好まない傾向にあるので、そういう人が厚くて込み入った本を簡単に読み進めるとは思えない。それに対して、この「中学生から・・・」は、「日本語の作文技術」のほぼ要素だけが簡潔に述べてあって、誰にでも読みやすいようにできている。また、「中学生から」といっても、中学生が対象であるわけではなく、大人でも十分に学ばされる内容である。大学生などで、日本語にあまり自信がない人は、この本で基本をつかむと良いかもしれない。もちろん、内容の全部が全部に賛同できるわけではないが、手堅い入門書とは言えるだろう。
- 作者: 本多勝一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2004/10/09
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 44回
- この商品を含むブログ (25件) を見る