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今日は虎の子を出そう。マンマルコガネCeratocanthidaeの仲間である。今回の調査では10種以上、500頭ほど採集した。シロアリの巣に棲むものが多く、一部はクロツヤムシの坑道でも発見される。その名のとおり、丸くなる。丸くなるといっても性格が穏やかになるわけではなく、驚くとアルマジロのように丸くなるのである。その丸くなりようといったら見事というほかなく、球形となった体の表面には、頭、前胸、上翅、脚が覗いている。一番下の3枚は丸まった状態から元に戻る様子。
何で丸くなるのかというと、シロアリの巣にはシロアリを食べる捕食性の昆虫(主にアリ)が来るので、それらから身を守るためと思われる。今回はそれを証明するかのような光景を数度目撃した。
ちなみに、今回の調査で最も嬉しかった成果の一つであり、日記に夜の愉しみと書いたのはこれらの採集のことである。夜にシロアリの巣をめぐると、巣の表面にベタベタ(というよりコロコロ)と貼り付いているのが見つかる。イタリアのBallerioさんという方と共同で研究することになった。