断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

今日も家で本の整理などし、午後から出勤。いくつかの仕事を片付けたのち、京都工芸繊維の藤原さんが学会で東京に出てきているというので、新宿で落ち合い、2時間ほど話した。お互い頑張りましょうという感じ。学位をとったばかり落ち着いていそうだったので、6月のマレーシア調査に誘ってみた。若手数人で行くことになりそうだ。

夕方から、鯨研究の山田研の学生の送別会で、新しく新大久保に出来た中華料理店に行った。涙にあふれた良い会だった。今日は人類の院生の小澤さんも最後の日だった。

自宅の片付け中に、2000年の「昆虫と自然」に発表された「山根正気:インベントリーと分類学者」を見つけ、行きの電車の中で読んだ。いろいろと考えさせられることが多く、思わず唸ってしまった。さすが山根さん!という感じがした。出版当時も読んだものだが、いまになって改めて学ぶところが多かった。藤原さんが6月に山根さんを訪れるというので、「これはいいよ~!」と行って、差し上げた。

ついでに、岩波文庫の「永井荷風:抄録 断腸亭日乗(上・下)」が見つかったので、電車の中でパラパラとめくった。少し前の文春に永井荷風の短い”人物評モドキ”が出ていて、そこに断腸亭日乗の一節が引用されていたが、その一節は上巻の5ページ目(!)にあった。いずれにせよ、格調高い文に読み返して飽きることはない。

摘録 断腸亭日乗〈上〉 (岩波文庫)摘録 断腸亭日乗〈下〉 (岩波文庫)

昨日イギリスのGuillaume de Rougemont氏にタイプ標本を請求したが、もう送ってくれたという返事。アリノスハネカクシZyrasの2種(Z. beijingensis, Z. songanus)で、イタリアのRoberto Pace氏が1990年に北京産の標本をもとに記載したもの。場所柄、日本産種との関連が深そうで、是非見たかったのだが、ずっと在り処が不明だった。しかしなんのことはなく、Pace氏に聞いてみたらすぐにわかった。なお、de Rougemont氏は明日から18日間マダガスカルへ採集に行くという。羨ましい!彼は長らく香港に滞在し、中国とイギリスの貿易関係の仕事をしてたが、いまは英語とフランス語の翻訳業をしているという。採集の達人として有名で、香港の甲虫相解明に対する貢献の大きい人だ。

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