断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

キバラグンタイアリEciton rapaxの行列にいたハネカクシの一種Termitoquedius sp.(未記載種)。一切の生態は不明。おそらくハネカクシの捕食者であると思われる。これも大変に素早く、いい写真が撮れなかった。属名の「Termito−」はシロアリの意味。最初に…

展示の準備。「世界の昆虫」を選び出して、箱の中を詰め直す。

ワスマン擬態という言葉がある。アリやシロアリの巣に住む昆虫が、全身あるいは体の一部を寄主を似せて、巣から排除されるのを免れるための擬態である。写真のアリの大顎の内側についている「出っ張り」にお気づきだろうか。これはダニの一種Circocylliba sp…

午後より展示の最終会議。これから展示物の解説作成があり、相当な時間をとりそうだ。

グンタイアリの行列に見つかる巨大なシミTrichatelura manni。体長が1センチほどあるうえ、横幅が広いので、ますます大きく見える。図体は大きいが動きは大変にすばやく、しかもうろちょろとあちこち寄り道しながら走るものだから、撮影は困難を極めた。餌の…

クマゼミ初鳴き。ぬけがらは見かけるので、成虫はもうたくさん出ているのだろう。 昨日は論文2本のイントロを書いた。今日は昆虫学会の要旨を仕上げ、共著者の小松君に送付。それから昨日の論文の続きで、1本を8割がた仕上げた。書く時間がない分、普段から…

グンタイアリには多岐にわたる分類群の生物が依存している。その有名なものの一つにアリドリという鳥がある。アリドリ科Thamnophilidaeの一部の種は、グンタイアリの行進を追い、グンタイアリの攻撃によって物陰から飛び出したバッタなどの小昆虫を捕食する…

グンタイアリの行列を眺めていると、その周囲をちょろちょろと動き回っている小さなハネカクシがいる。何をしているかというと、行き倒れのアリを探しているのである。グンタイアリは何10万頭という群れで狩りに繰り出すので、一度狩りに出れば、必ず負傷者…

HIDの光源を用いたライトトラップが気になっている。上手く光を拡散させれば、いろいろ使えるかもしれない。これなら飛行機で運ぶのも楽だし、音がなく快適そうだ。問題は価格。いつもは発電機と水銀灯・蛍光灯を使っており、公共機関による持ち運びやガソリ…

ゴミムシダマシの一種Pheugomius borneensis。その名のとおりボルネオに生息する。世界屈指の大きさのゴミムシダマシで、写真の標本は体長が65ミリもある。ゴミムシダマシは外骨格が厚いので、この大きさともなるとかなりの重量感がある。日本に近縁なものは…

4年生の北野君と安藤さんが、昆虫学教室に配属の決まった3年生を連れてきたので、博物館をあちこち案内する。標本を見せたときの反応が面白く、その表現の豊かさに感心した。学生さんに標本を見せると、何かにつけ「ゴキブリみたい」というが、それとは全く…

クリックありがとうございます→ ホソユビヤモリの一種Cyrotodactylus sp.。地域的に分化しており、めちゃくちゃに種数が多い属なので、まだ同定できていない。あまり多くないが夜間にはしばしま見かける。半樹上性で、細い枝も器用に登る。体長は20センチほ…

標茶町の飯島一雄さんの標本を同定してお返しした。ご高齢であるにもかかわらず精力的に調査を進められている。長生きしてください。 公務員試験が一段落し、卒論生3人が揃ったので、改めて実験を教える。一人がハナバチ、一人がヨコバイ、そしてもう一人が…

打って変って「普通の虫」の写真を。いわゆる「オサムシ」の属するオサムシ上族Carabitaeには主に4つの分類群があって、汎世界的な分布を持つオサムシ族Carabiniのほか、ユーラシア北部から北米の一部に分布するセダカオサムシ族Cychrini、オーストラリア固…

連日の雨。トマトの実割れが痛い。今日の雨は特にひどく、筑肥線が止まったため、深江に住む4年生は来られなかった。 図録入校。展示は18日からなので、あと2週間ですべての準備を終わらせる必要がある。なんとかなるだろう。その前に水生昆虫の採集に行かね…