断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2008-01-01から1年間の記事一覧

標本の下見で神奈川へ。すばらしいお宅だった。標本の引取りには少し障碍がありそうだ。 夕刻に東京へ戻り、いつもの亀澤さんと福富君と合流。いつもの近江家、中の濱とハシゴする。どちらも新大久保の改札の目の前にある。近江家はちょこちょと小さなツマミ…

11月になってしまった。明日から標本引き取りの下見で神奈川へ出張。本当に出張が多い。このブログの題を「空飛ぶ助教の・・・」にします。今月は愛媛、札幌と続く。愛媛で3本、札幌で1本長いのを発表の予定。 先を急ぐのだろうか。今日は明るいうち(17時前…

もうじき11月。今月後半は忙しくてブログが書けなかった・・・。といっても、あまり書くことがない。 岸本さんと予定していた11月3日のジョアンジルベルトのコンサートは中止となってしまった。無念。しかし延期となった12月のチケットは早々に入手。 先日、…

大阪自然史博物館・大阪自然史センター編「鳴く虫セレクション 音に響く虫の世界」。コオロギやセミを中心とした鳴く虫のわかりやすい総説。どれも面白いものであるが、加納さんの「江戸東京の虫売り:鳴く虫文化誌」がとくに興味をひいた。日本の文化の最盛…

中尾佐助「栽培植物と農耕の起源」。細石クンのブログを見て読んでみた。名著として知られるそうで、たしかにそれだけの中身の詰まった本であった。古い本だが、現在の知見はどうなっているのだろうか。わたしとしては農耕の起源の部分よりも、各植物の品種…

NHKハイビジョン特集の「渋谷でチョウを追って〜動物行動学者日高敏隆のまなざし」 のDVDが届いたので見る。思いがけず非常に良いドラマで、昆虫の内容を差し引いても感動できるものだった。 日高さんとは面識はないが、私はこの人に大きな影響を受けている…

あまりに忙しく、終電帰宅の日々が続いていたので、今日は久々に休む。どこにでかける気力もなし。 ただし、午前中は官舎の草取りと自治会の会合に出た。今年の後期は棟の「組長」がまわってきてしまったので、いろいろ仕事がある。草取りのあと、住民の方か…

今日は朝から六本松へ行き、嶌先生の標本を博物館へ移す作業を行った。日通の美術の方にまかせっきりで、自分ではあまり動かなかったが、結局、夕方までかかってしまった。同時にいくつかの整理用棚を運び込んだので、夕方に山本君に手伝ってもらって佐々治…

出張後の仕事に忙殺されて更新が滞ってしまった。 昨日は比文の阿部先生のところにきたイギリスとハンガリーのタマバチ研究者のセミナーに参加。タマバチのことはほとんど知らなかったが、実に面白い生き物であることを知った。とくにタマバチの作る虫嬰の美…

さきほど福岡に戻りました。石垣−西表−石垣とめぐって、毎日毎日、朝から夕まで巣探しの土木工事で、疲れ果てました。もう少し滞在したかったところですが、粘りに粘って予想を少し上回る成果を得ることができたのでよしとしましょう。成果については論文が…

アリ標本の脱色とクリーニングと軟化の方法 http://www.myrmecologicalnews.org/cms/images/pdf/online_earlier/mn12_15-21_non-printable.pdf - かの有名な脚なし翅なしノミバエVestigipodaの新種記載が出ました。昨年の春にマレーシアでヒメサスライアリの…

今日は潮が悪く疲れてもいたので釣りに出かけず、「志摩の四季」という物産品店へ出かける。ここは野菜と魚が豊富で、とくに魚には見慣れないものが多く、楽しめる。今日見た魚を羅列すると(思い出し順)、メダイ、マダイ(小さいのはチャリ)、キダイ(レ…

畑の野菜の駆虫。相変わらずコナガとハスモンヨトウが多く、モンシロチョウ(かスジグロシロチョウ)の幼虫も多い。ダイコンにはカブラハバチの幼虫が点々とおり、もうお手上げ。来週の不在中に丸裸になることは目に見えている。 塚田さんのブログで紹介され…

一昨日のアオゴミムシにつづき、アフリカのシロアリの巣に住むゴミムシGlyptus sp.。成熟すると写真のように腹部が脂肪分で膨満する。このような現象をphysogastoryといい、好白蟻性の昆虫では、ハネカクシ、ハエ等に広く知られる。このゴミムシも20㎜前後と…

朝からアルバイトの学生さん2名に作業をしてもらう。今日はひたすら台紙切りとその針刺し。 カッターを使い、ケント紙を10mmの幅に切る。奥に見えるのは「銀座のいちごケーキ」。減量中で食べないので味は不明だが、かなりおいしいらしい。「東京ばなな」の…

午前中に上野さんが来て、フランスの標本商で共同購入させてもらったアフリカの好白蟻性甲虫を受け取る。初めて見るものがあり、感激する。一番の掘り出し物はシロアリの巣にいるアオゴミムシで、アオゴミムシとは思えない異様な雰囲気。ただ、かなり高かっ…

今日は夜明け前にいつもの釣り場(糸島のケ屋)を訪れる。「夜明けの10分に大アジが釣れる」と常連のオジサンに聞いていたからである。ところが着いて道具の支度をしている間に入れ食いとなってしまい、準備が終わったころには大アジの時間も終わってしまっ…

先週、ある方(その方に問い合わせが行くと申し訳ないので伏せておく)から多量の活きたコガタノゲンゴロウをお送りいただいた。早速展示室のゲンゴロウ水槽に入れる。いままではクロゲンゴロウ4頭、ゲンゴロウ5頭、コガタノゲンゴロウ4頭の計14頭が入ってい…

10月7日から八重山へ行くことにしたので生協でパックを予約する。予約期限の10日前までまだ余裕があると思っていたが、10日というのは10営業日であり、今日がまさに10日前であることを知った。急いで小松君に電話し、予約を勧める。福岡-石垣島往復1泊つきで…

A Field Guide to the Tiger Beetles of the United States and Canada 米国およびカナダ産ハンミョウのフィールドガイド 全種・ほぼ全亜種の標本写真、分布図、解説がある完璧なフィールドガイド。標本がきれいで、白い紋がきれいに残っているうえに、きれ…

学内(九大駅前入り口の空き地上空)でハネビロトンボを目撃。福岡では珍しくないようだ。 山本君が久々にくる。無事に免許をとったようだ。北海道のお土産に熊カレーをもらう。「部活に入りなさい」という提案を真面目に受け取ってくれたようで、「生物研究…

畑のメキャベツが害虫に大人気で、毎朝、イモムシを取り除いて投げるのが一仕事。一番ひどいのはハスモンヨトウで、次はコナガ。ヒメナガメも汁を吸っている。ハスモンヨトウはどこかから歩いてやってくるようで、取り除いても取り除いても翌日には新しい幼…

休日出勤。今日は久々に蒸し暑い。展示室の水槽の水を換える。その際、4階の窓から長いホースで水を捨てるしかないので、水換えは目立たない休日に限る(コソコソする必要もないのだが)。いつのまにかカワコザラガイがゲンゴロウの水槽に発生。水質が悪化し…

日本産コガネムシ上科図説 第1巻 食糞群 〈普及版〉が出た。2005年に出版された元の版はA4判であったが、今回は半分のA5判に姿を変え、さらに内容の更新と標本作製法等が付け加えられた。ほぼ全頁がカラー、簡潔な解説と美しい標本写真に彩られ、好評を博し…

某事件が解決したようだが、同じ町内での出来事だったので、先週末はその事件の話でもちきりだった。運悪く自治会の当番が回ってきて、土曜にその集まりがあったのだが、子供のいるお父さん方は心配だったようで、これから当番制で見回りをしましょうという…

実は木金月と強制夏休みなのだが(だったのだが)、なかなかそれに従うわけにはいかない。しかし疲れもあるので、土日はしっかり休むことにした。今日は午後からいつもの場所へ釣りに出かける。中潮なのだが、午後の潮が悪かったようで、狙いのアジはいまひ…

「面白そうだ」と思って聞きに行った中瀬さんの発表で、わざわざ前の列に坐って眠ってしまった。つまならなかったわけではないですよ。 うちのすぐ近所で事件があり、朝からマスコミの人たちで通勤路がにぎわっていた。海辺のきれいな公園だが、たしかに平日…

ある方から国内某島で採れた「変な虫」の画像を送っていただく。日本初記録亜科のハエだった。大変驚いたが、日本のさる虫(寄主)の自然誌的研究の遅れを確信した。この状況で推理して地域と分類群を当てられたら、一流の虫屋だろう。わかっても言わないで…

3日目は午後に昆虫分類学若手懇談会と昆虫担当学芸員協議会の共同シンポジウム「昆虫分類学における昆虫標本管理の現状と課題」があり、私は最初に「九州大学総合研究博物館の昆虫標本収蔵の現状とその展望」という話しをさせていただいた。シンポジウムは大…

早朝に起きて発表練習。声が枯れていることに気づく。小松君の発表「小松貴・丸山宗利・市野隆雄: アリヅカコオロギ属Myrmecophilus(バッタ目:アリヅカコオロギ」を途中から聞くが、身内びいきでなく、内容も話し方も大変よかったと思う。(この内容つい…