断虫亭日乗

過ぎ去る日々の思い出をつづるだけ

2005-01-01から1年間の記事一覧

やっぱり月曜は忙しかった。金土日とメールが100通以上来ており、そのうち50通余りに返信した。それだけで一仕事。しかし、毎日マメに返信しないと、あっという間に未返信のメールが溜まってしまい、いくつかはうっかり忘れてしまったりする。長文の返信が必…

昨日は埼玉大で開かれた日本昆虫分類学会の第8回大会に参加してきた。午後から発表を見て、夕方に懇親会に出て、そのあと主催の林先生の教室で2次会に参加し、終電ギリギリで帰ってきた。驚いたことに、数人の方はそのまま教室に泊まるみたいだった。参加者…

それにしても、全く新しい分類群を始めるというのは、なにもかも新鮮で楽しい。しかし日本では、一分類学者が様々な分類群に幅広く手を伸ばすのはあまりいい目で見られないし、実際にそういう人は稀有な存在である。その理由は、専門の分類群の研究が疎かに…

西から公募落選の知らせ。今回は某地方国立大の助教授公募で、面接(最後の3人)までいっただけに、少し残念。「少し」というのは、面接に行った時点で手応えがなかったからである。しかし、ある程度評価され、そこまで辿り着いたことを今後の励みみしたい。…

ついでに、自分の業績に今までに設立した新分類群の一覧を加えた。さらにオマケとして、自分の名前のついた虫の一覧も作った。「新種に自分の名前がつく」というのは子供のときからの夢だった。だから常に感謝したいと思っている。しかし、数が増えてくると…

風邪が長引いている。先週末から調子がよくないが、それでも仕事は少しずつ進んでいる。今日は蟻類研究会のHP作成を行い、なんとか大枠だけは出来上がった。あとは文章で埋めていくのみ。 そういえば、この日記にはアクセスログが付いていて、どこから訪問…

「蟻」の編集の最終チェックと、出版論文(Pella属の論文で、科博のモノグラフシリーズに出版予定)の手直しをした。この論文の出版ページ数は300を超えそうなくらいあるので、見直すのも一苦労。これから年明け早々の出版に向け、見直しの繰り返しが続く。 …

南国から封筒が届く。これはションボリな発表だった。発表といえば、いまはちょうど学振の発表の季節だが、科博の院生や自分の知るポスドクなどに良い話しを聞かない…。

少し前、わかむしのMLで「姓名順」について少し話題をもちかけ、反応からすると少なからぬ共感があったようだ。 この話題とは、ローマ字表記の「姓-名順」のことである。簡単に自分の意見をいうと、日本人が名前をローマ字表記するにあたり、「名-姓順」とす…

今日もむやみに忙しかった。プラハの博物館へ返す標本を準備し、そのあと種々の雑用、明日の講義の準備などしていたら、あっという間に時間が経ってしまった。今日も数件メールの返事ができず。 このブログで「日本の渚」を絶賛してから、いろいろな方から共…

午後からは標本返送の続き。データを打ち込みながら同定ラベルを付け、ピンで固定する。今日はウィーン自然史博への荷造りだった。

今日はドイツ昆虫学研究所Deutsches Entomologische Institutと韓国の忠南大学へ返す標本の準備と梱包をした。どちらも量が多かったので、かなりの仕事になってしまった。メールをチェックしようと思ったら、もう21時過ぎ…。 ちなみに、ドイツ昆虫学研究所と…

愛媛大農学部の3回生で、環境昆虫学研究室にいる片山君が日曜から来ていて、うちに泊まっている。高校生の頃からハネカクシの分類がやりたくて、分類のできる大学ということで、愛媛に来たそうだ。殊勝な学生がいるものだとびっくりした。メールからして驚い…

愛媛大の酒井先生の作っている「雑甲虫ニュースレター」を読み返していたら、興味深いというか、呆れてしまうような研究例が出ていた。 新種を記載するとき、その名前を担うタイプ標本というものを指定する。現代では、研究に使用した当該種の標本群から、唯…

原稿から暫し開放されたが、今日は標本のデータを打ち込んだり、福富君の手伝いをして過ごした。福富君のタマムシを撮影した折に、自分の虫も撮り、ついでにアオタマムシを撮影した。昆虫標本撮影の難しさは、色調調整(光)とピントを上手く合わせる事に尽…

懸案の原稿が完成し、標本の返却を開始する。一昨日はパリの自然史博物館へ返却。この博物館はサービスがよろしくないので、わざわざ自分でパリまで行って借りてきた。しかもロクな材料がなかったというオチがついたが、メトロを使ってパリの街を歩いたのは…

蕎麦が好きで、有名店に遠くまで足を運ぶこともある。わずか二口で600円くらいもする神田藪蕎麦はたしかにうまいが、別物として立ち食い蕎麦で食べる蕎麦も結構好きだ。ちなみに、蕎麦というのは東京の文化であり、それなりの店に行けば、長野や新潟で食べる…

昆虫を分けるカテゴリーに、「馬鹿虫(ばかむし)」と「賢虫(かしこむし)」というのがある。文字通り知能に関するもので、ハチやアリやシロアリの社会性種は賢虫で、それ以外は馬鹿虫となる。(アブラムシにも、カーストを持ち社会性と定義されるものがい…

8月に山梨へ採集に行った折、フシボソクサアリというアリの羽蟻を大量に採ってきた。解剖のためにそれらを容器に入れて飼育していたのだが、やがて解剖の必要もなくなり、なんとなく殺すのも惜しいので、ペットとして飼育していた。それらが数週間前から卵を…

わかむしのMLで虫の和名のことが話題になっている。亜種に和名をつけるべきか、語幹をそろえるべきか、など。また、記載論文に和名を併記すべきかという話題もでた。 記載論文に和名を併記することには、基本的に反対である。掲載誌に関係のある和文抄録か、…

思えば4年前、サッポロの昆虫体系学教室で、冬の夜中にストーブに手を当てながら解剖したり、絵を描いたりした。その続きを今年になって始めるとは、まさに年貢の納め時というところ。 サッポロでは北18条というところに住んでいて、近くに「大将」というラ…

分類の研究というのは不思議なもので、こうやって、身銭を切って研究材料を集める人が多い。そういえば、科博で貝を研究している院生が、ある貝を15万で自腹で買ったといっていた。「これで論文がかけます」と。他の分野の人から見れば不思議に思えるかもし…

10月になってしまった。家で飼っているエンマコオロギとマツムシの演奏もいまが最高潮といったところ。本格的な秋が近づいている。 今日はいろいろと郵便物が届いた。大阪の新居さんから嬉しい標本の贈り物。惜しげもなく良い物を下さる人には、その何倍もの…

今日は後期初めての講義だった。必修とは聞いていたが、97名の学生さんが履修しているというのには、今朝初めて聞いて驚いた。教室に入ってみると、100人教室にびっしりと人が詰まっていて、ちょっと驚いてしまった。緊張するかと思ったが、昨年からの慣れが…

また「日本の渚」関連の話し。本のなかに、様々な生物をはじめ、昔の日本の風景を映した印象的な写真葉書や絵が登場する。そのなかに、安藤広重の「深川州崎十万坪」という見事な描写の絵があって、自分の育った場所に近い深川の原風景を知り、大変興味深く…

タクサの編集に関する仕事として、原稿の執筆依頼を進めている。なんとか3名確保。半ば強引にお願いしてしまったが、みなさん快諾してくださった。その前に昆虫学会で若手数名にお願いしたが、期待していたのに軒並み断られてしまった。みんな忙しいのね。

「日本の渚―失われゆく海辺の自然:加藤 真(著)」(岩波新書) 1年位前に読んだ本だが、いつ読み返してもいい本なので、昆虫学会の行き帰りの新幹線で読んだ。新書は割りと読むが、高校生のときに読んだ「デカルト:野田又夫 (著)(岩波新書)」以来、心から…

7時起床。二日酔いと寝不足だが、今日は自分の講演が2つもあるので、ゆっくりできない。朝食のために部屋を出ると、偶然、隣の部屋に止まっていた新津さんも出るところだった。つらそうな様子なので聞くと、朝6時まで飲んでいたそうだ(!)。 9時に大学に着…

情けないことに二日酔いで遅刻。まあ、一日ボーっとしているより、酔いを醒ましてから来てよかった。というのも、今日は大事な行事があったからである。それは、岡山の中高生の昆虫少年と、若手数名との昼食会で、今回の学会の楽しみの一つだった。5名ほどの…

今日から岡山で昆虫学会だ。朝に東京をたち、会場の岡山大学へ着いたのは午後1時過ぎだった。今日の主要目的は懇親会とそのあと若手限定の飲み会である。 懇親会では色々な方と再会。また、メールなどで知っていても、初めてお顔を拝見した方が大勢おられた…